食品衛生学雑誌
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寒天培地上におけるウエルシュ菌の胞子形成とエンテロトキシン産生性について
植村 興
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1978 年 19 巻 5 号 p. 462-467_1

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抄録

1.2%寒天加DS胞子形成培地上で, ウエルシュ菌食中毒株は胞子を形成し, エンテロトキシンを産生した. 炭素源 (可溶性デンプンまたはラフィノース) の至適濃度は0.4%で, それ以上にすると発育は旺盛になったが胞子形成は抑制された. GasPak 法, 室温触媒法, ガス置換 (90%N2+10%CO2) 法のいずれの嫌気培養法も適用できた. コロニー間にエンテロトキシン産生量に差が認められた. NCTC8798株の同一接種材料から, やや大きく不透明なコロニーと発育が悪く透明なコロニーが分離し, 前者が後者よりより多量のエンテロトキシンを産生した. 両 Progeny のエンテロトキシン産生性はDS培地で4代継代培養しても維持された.

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