1961 年 2 巻 4 号 p. 40-43
温度差による影響を調べるため, 温度5°以下, 常温および30°の3区分にして暗所静置で貯蔵実験を行なった.
純合成清酒の場合は5°以下と常温貯蔵の試料間には温度差の影響は認められなかったが, 30°貯蔵の試料は他の温度貯蔵の試料に比べて初期の増色度は最も小さいが, それ以後の増色度は最も大きかった. しかし厳密には言い難い. 香味液添加酒試料の場合には温度差の影響は認められなかった. 色調は香味液添加酒のメラニン着色試料を除けば他の着色試料はすべて青味が少し増加したが, 45日目の色調は純合成清酒および香味液添加酒の各着色料によるいずれの試料もよく似た色調になった.
なお45日目の増色度は純合成清酒および香味液添加酒のいずれの試料も着色時の15%前後増であったことは製品の着色に際しては考慮されるべきであろう.