食品衛生学雑誌
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ガスクロマトグラフィーによる食品中亜硝酸,硝酸イオンの同時定量
田中 章男能勢 憲英岩崎 久夫
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1982 年 23 巻 2 号 p. 154-161_1

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抄録

食品中亜硝酸, 硝酸イオンの同時定量法について検討した. 亜硝酸をヒドララジンと反応させてテトラゾロフタラジンとし, 硝酸は2-セカンダリーブチルフェノールと反応させニトロ化の後, 更にペンタフルオロベンゾイルクロライドでエステル化し, 5%OV-17カラムを使用したガスクロマトグラフィー (FID-GC) で定量した. 本法の定量限界は亜硝酸0.05μg/mlで硝酸0.5μg/mlであり, 食品からの添加回収実験を7種の食品について行った結果, 平均回収率は亜硝酸96.7%, 硝酸97,2%, 標準偏差はそれぞれ1.1%, 1.0%と良好な値を示した. カドミウム還元カラム比色法と他のGC法と数種類の肉製品について実験した結果, 比色法で硝酸が種類により低い値を示したほかは一致した.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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