食品衛生学雑誌
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石油資化酵母中の奇数脂肪酸とその摂取による牛乳汁中への移行
川嶋 洋一狐塚 寛内山 充市川 忠雄清水 寛一
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1982 年 23 巻 2 号 p. 162-166_1

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抄録

石油資化酵母 (SCP) の脂肪酸組成を調べたところ通常では見いだされない奇数脂肪酸 (UEFA) が約50%を占めていた. このうちの約79%は 9-heptadecenoic acid (17:1) であった. 更に, この酸はリン脂質に多く, 一方17:0は中性脂質に多いことが判った. SCPを含む飼料を与えた牛の血清と乳汁中の脂肪酸を分析したところ, 飼料中には17:0に比べて17:1が6倍も多く存在するにもかかわらず, 血清中にはほぼ同量存在し, 乳汁中には17:0の方がわずかながら多く存在した. 乳汁中のUEFA量はSCPの投与を中止すると2週間以内に対照値まで低下した.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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