1984 年 25 巻 4 号 p. 317-321_1
食品用包装フィルムの可塑剤の調査を行った. ポリ塩化ビニル (PVC) 製フィルムに使用されている可塑剤は2種類に分けられ, 一つはジイソノニルアジペートであった. もう一つは, アジピン酸とn-ヘキシル, n-オクチル, n-デシルの3種のアルコールから構成されている6種類のアジピン酸エステル (AAE) の混合物と推定され, さらにアセチルクエン酸トリブチルが併用されていた. これらAAEの定量は, 三フッ化ホウ素メタノール試液でメチルエステル化をすることにより, 生成したジメチルアジペートあるいは各アルコールの量から総AAEとして求めることができた. PVC製フィルム中のAAEの含有量は12.0~22.0%であった.