食品衛生学雑誌
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食肉からの Yersinia enterocolitica の分離方法の再検討-CIN培地の選択性とアルカリ処理効果
金子 誠二神保 勝彦小久保 彌太郎松本 昌雄丸山 務
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キーワード: 食肉, CIN培地, アルカリ処理
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1984 年 25 巻 5 号 p. 424-429_1

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抄録

Y. enterocolitica を分離する目的で考案されたCIN培地の有効性と, 低温増菌培養後に本菌を効果的に回収するアルカリ処理法の実際的な条件を種々の菌株を用いて検討した. CIN培地で Yersinia 属菌は特徴的な集落を形成したが, それ以外の菌株は発育が抑制されるかまたは, 異なった集落を形成した. Yersinia 属菌は比較的高いアルカリ抵抗性を示し, 0.4%水酸化カリウムで15~30秒間処理しても菌数減少は少なかったが, その他の菌株の多くは0.4%以下の水酸化カリウム濃度で短時間処理しただけで生残できなかった. PBS低温増菌培養後のアルカリ処理は0.4%水酸化カリウムで30秒間処理する方法が適当であり, 分離培地にCIN培地を用いれば Y. enterocolitica を効果的に分離できる.

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