食品衛生学雑誌
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ラットにおけるカドミウムの生体影響に及ぼすシステインの効果-銅及び亜鉛の生体内挙動への影響-
重金属の生体内挙動に関する研究 (第4報)
田中 之雄田中 凉一樫本 隆
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1985 年 26 巻 5 号 p. 411-422_1

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抄録

ラットにCd単独経口投与 (塩化カドミウム (CdCl2・2.5 H2O) 80mg/kg/day) とCd及びシステイン同時経口投与 (CdCl2・2.5 H2O 80mg/kg/day + システイン塩酸塩 1,500mg/kg/day) を20週間にわたって連続的に行い, CdのみならずCu及びZnの生体内挙動について調べた. その結果, Cd単独投与の場合, 臓器及び血液中のCu含量が対照値よりも減少することを認め, システインを同時投与することによってCu含量の減少が抑制された. このCu含量の減少は, CdによるCuの腸管吸収阻害に起因すると考えられた. また, 臓器中のZn含量は急増後漸減傾向を示したが, Cuのように対照値よりも減少することはなかった.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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