1985 年 26 巻 5 号 p. 432-436_1
青綿 (trisulfo-copper-phthalocyanine を固定した脱脂綿) を利用して, 市販加工食品122種に含まれる変異原性物質の検索を行った. 変異原活性は, Ames らの Salmonella/microsome 系で測定した. その結果, コーヒー, 赤ワイン, かつお節, 焼魚の缶詰及び1部の風味調味料でS9 mix 存在下 Salmonella typhimurium TA98 において変異原活性が認められた. コーヒーの変異原性は, 従来報告されているものと活性の発現様式が異なり, またかつお節の変異原性物質もベンゾピレンとは異なる可能性が示唆された. 青綿の吸着特性から, 今回認められた変異原性は, いずれも多環式構造をもつ化合物に起因していると考えられる.