食品衛生学雑誌
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イオン会合体試薬を用いる食肉中マロンアルデヒドの定量
村上 りつ子小室 道彦山本 和則長峰 さつき神谷 隆久一条 悟朗
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1990 年 31 巻 2 号 p. 155-158_1

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抄録

多価不飽和脂肪酸の過酸化の指標として知られる食品中のマロンアルデヒド (MA) を, 定量するため, 第四級アンモニウム塩である塩化セチルトリメチルアンモニウム (CTA) を含むpH 6.8のリン酸塩緩衝液を用いて, チオバルビツール酸 (TBA) 反応後得た赤色化合物を, 酢酸エチルにより抽出した. また, アセトニトリルを加えることで, 呈色の安定性, 及び溶媒抽出の際に水層との分離性が高まった. 本法により, 混濁した試験溶液でも精度よく定量でき, 凍結保存した市販の鶏肉及び豚肉のMA量を測定したところ, 前者の平均値は, 0.61μg/g, 後者のそれは, 0.66μg/gであった.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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