食品衛生学雑誌
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直接注入加水分解ガスクロマトグラフィーを用いた食品中のズルチンの定性, 定量
石田 裕藤居 敏明関根 展子斎藤 裕子関谷 茂二
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1990 年 31 巻 6 号 p. 479-484_1

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抄録

試料から水抽出後, 酸性域でn-ヘキサンにより脱脂, 水酸化ナトリウムでpH11~13に調整後, エーテルで抽出, 減圧留去後98%アセトニトリルに溶解したものを試験溶液とした. この試験溶液をKOHを披覆したグラスウール充てんインサートを付したPEG 20M+KOH(5+1)%, 3mm×1.0mカラムに注入し, 注入口温度250°, カラム温度180°で分析を行った結果, 回収率95~101%, 変動係数5%以下と良好な結果が得られた. 又本ピークをGC/MSで確認した結果, p-フェネチジンと同定され, ズルチンの加水分解が推測された. この結果から本報で用いた手法を応用することにより, 測定可能な物質の範囲が広がる可能性が示唆される.

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