食品衛生学雑誌
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アルカリ Unwinding 法によるDNA損傷度測定法の改良
梅垣 敬三池上 幸江溝淵 差保市川 富夫
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1991 年 32 巻 6 号 p. 553-558_1

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抄録

Morris と Shertzer のアルカリ unwinding 法 [Environ. Mutagen. 7, 871-880 (1985)] によるDNA損傷度測定法の検出感度を高あるため, その測定条件の検討を行った. N-ニトロソジメチルアミン (NDMA) 投与により肝臓DNA損傷を惹起した場合, 肝臓ホモジネートのアルカリ処理温度を4°から10°または20°に高めることにより, その検出感度は約2倍に高くなった. また, アルカリ処理温度が4°の条件では, 肝臓ホモジネート濃度の違いが検出感度に大きく影響したが, 10°と20°の条件ではその影響は小さかった. アルカリ処理温度を20°, 肝臓ホモジネート濃度を6%に設定した条件では, 原法において検出できなかったトリクロロエチレン投与による有意なDNA損傷を検出することができた.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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