1991 年 32 巻 6 号 p. 559-563_1
イオンクロマトグラフィー (IC) によるワイン中のフェロシアン化物の定量分析法の検討を行った. 改良ランキン装置を用い, 試料中のフェロシアン化物を硫酸酸性下, 熱分解させ, 生じたシアン化水素を, 窒素通気によりネスラー管中の0.1N水酸化ナトリウム溶液に捕集した後, その溶液を直接, 電気化学検出ICに供した. ワイン中のフェロシアン化ナトリウム (Na塩) としての検出限界は1ng/mlで, この値は, Na塩のADIを考慮した定量目標値より100倍高感度であった. また添加回収率は, 50-1,000ng/mlの添加範囲で, ワインの赤白, 亜硫酸ナトリウム添加無添加をとわず, 88-130%と良好な値を示した.