食品衛生学雑誌
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固相抽出法-HPLC, GC及びGC/MSを用いたワイン中メチルイソチオシアネートの定量法
寺田 久屋永井 祐治宮部 正樹
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1992 年 33 巻 6 号 p. 586-592_1

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抄録

ワイン中のメチルイソチオシアネート (MITC) を固相抽出法を利用して, 吸着抽出し, HPLCまたはGCにより定量する分析法を開発した. すなわち, ワインを直接BAKERBOND spe C18に導入し, MITCを吸着させた後, 30%メタノールで溶出しHPLCで分離定量した. 更に, 溶出液を酢酸エチルで抽出し, GCで定量した. HPLCは, カラムに Capcell Pak C18-SG120を用い, 検出はUV200nmで行った. GCは, カラムにDB-WAX, 検出にFPD (S) を利用した. 赤ワイン及び白ワインにおける添加回収実験では, 0.05μg/ml添加で回収率が88.4% (HPLC), 89.2% (GC), 0.5μg/ml添加で94.2% (HPLC), 94.5% (GC) であった. 定量限界はHPLC, GC法とも0.02μg/gであった. 市販のイタリア産ワイン40検体を調査した結果, 白ワイン1検体より0.24μg/gのMITCを検出し, GC/MSにより確認した.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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