食品衛生学雑誌
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γ線照射したオールスパイスとシナモンに特有なラジカルと照射食品の検知法への利用
内山 貞夫杉木 愛子河村 葉子村山 三徳斎藤 行生
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1993 年 34 巻 2 号 p. 128-135_1

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抄録

γ線の実用線量を照射したオールスパイスとシナモンのESRスペクトルに主シグナル (signal I, g=2.0048~2.0050) と30G低磁場に副シグナル (signal II) が見られた. トウガラシの光照射で増加しない signal I は, 上記両香辛料の光照射で増加し, 加熱, γ線照射でも増加した. Signal II はγ線照射のみにより生じ, 長時間安定で, 湿度の影響も少なくなく, 照射後6か月では5kGy以上, の照射オールスパイスとシナモンを, 照射後1年では10kGy以上照射のオールスパイスと5kGy以上照射のシナモンを検知出来た. しかし, signal II のシグナル強度は両香辛料間及び異品種のシナモン間でも若干異なった. メタノール抽出残留物の signal I, II は増加したが, その上昇率が異なることから, それらのラジカルは別々に存在するものと推定された. また signal II を生ずる香辛料のメタノール抽出物中に共通の主な物質はなかった.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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