食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
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ハロゲン置換サリチル酸類のクロコウジカビに対する抗かび作用 化学構造と抗かび性に関する研究 (第2報)
都築 廣久深田 剛毅楢崎 聖子西 政孝鶴田 洋一米光 直志又賀 駿太郎田代 昌士
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1993 年 34 巻 2 号 p. 142-147_1

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抄録

ペーパーディスク法を用い, 13種類のハロゲン置換サリチル酸類のクロコウジカビに対する抗かび作用を発現させる因子をpHの影響とハロゲン置換基の種類, 原子数, 置換位置から検討した. pH 3.7でハロゲン原子数の増加に伴い一般に初期効力は増大するが, 5-ブロモ体と4, 5-ジクロロ体のそれは3, 5-ジクロロ-4, 6-ジブロモ体よりも高いことが判明した. 4, 5-ジクロロ体は, 本試験中最高の初期効力と持続性を示した. この結果からハロゲン原子の置換位置と種類の複雑な組み合わせが重要であると考えられる. またすべての試験で胞子の形成が阻止される部分, すなわち胞子形成阻止帯が観察された.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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