1993 年 34 巻 5 号 p. 398-403_1
12種類の許可食用タール色素を食品から同定するための簡便迅速かつ回収率のよいクリーンアップ法を確立した. 脱脂操作を省略して, 水, エタノール-水及びアンモニア-エタノール-水等の溶媒を用いて食品から直接色素を抽出した. 抽出溶液は, エタノールの除去及びpH調整をすることなく, 直接, Sep-pak QMA カートリッジに負荷した. 保持色素は3w/v%塩酸-メタノールで溶出し, アンモニア水で中和後, HPLC及びTLCにて分析した. ホワイトチョコレートに12種類の食用タール色素を5ppm及び10ppm添加した際の回収率は, それぞれ85.8~97.9%及び83.3~95.6%と良好でチョコレート, ウニクラゲ, 辛子メンタイコ, ハム, キャンディ等の食品中の食用タール色素分析にも有用であった.