食品衛生学雑誌
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ラットにおけるペンタクロロベンゼンとヘキサクロロベンゼンの分布, 蓄積と排泄に対する食餌制限の影響
梅垣 敬三池上 幸江伊藤 毅市川 富夫
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1993 年 34 巻 5 号 p. 404-410_1

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抄録

比較的代謝されやすいペンタクロロベンゼン (PECB) と極めて代謝されにくいヘキサクロロベンゼン (HCB) の分布, 蓄積, 排泄に対する食餌制限の影響をラットにおいて堵較塗討した. PECBとHCBは無制限食, または40%制限食で3週間飼育したラットに同時に1回経口投与した. PECBとHCBは, 投与後そのかなりの量が脂肪組織に分布し, 制限食群では脂肪重量の低下と共にPECBとHCBの脂肪への分布量も少なかった. PECBの場合, その血中濃度の低下は制限食群において著しく, 投与8日目の臓器や脂肪中の濃度も制限食群において極めて低かった. 一方, HCBの場合, その血中濃度の低下はむしろ制限食群においてより緩やかであり, 投与8日後の臓器や脂肪中の濃度も制限食群において高い傾向が認められた. 食餌制限による投与化合物の排泄の亢進はPECBについてのみ認められた.

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