食品衛生学雑誌
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食品中のp-ジクロロベンゼンの簡易迅速測定法
石田 裕杉山 法子八藤 真高畑 薫
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1993 年 34 巻 5 号 p. 434-438_1

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抄録

防虫剤様臭気を呈する食品の原因物質を調べるため, 食品中のp-ジクロロベンゼンの簡易迅速測定法について検討した. 1) 試料を水で膨潤し, リン酸でpHを4.0~4.5に調整, ジアスターゼ及び内部標準物質を含むn-ヘキサンを加え, 37°で30分間デンプンの加水分解処理を行った. 2) 冷却後ホモジナイズし, 遠心分離によりGC用試料溶液を作成した. 3) 測定は試料溶液を用いてGC内標法及びGC/MCにより行った. p-ジクロロベンゼン1.00mgを添加時の回収率及び変動係数 (n=5) は, 油揚げ乾燥麺96%及び2.8%, 油揚げせんべい96%及び1.6%, うずら煮豆94%及び1.9%で定量下限は1mg/kgであった. 上記苦情食品からp-ジクロロベンゼンを100~1,300mg/kg検出し, 本物質を異臭味の原因物質と判定した.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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