食品衛生学雑誌
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ヒマワリの脂溶性画分に分布する抗菌活性物質について
中野 益男福島 道広東 浩司
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1995 年 36 巻 1 号 p. 22-28_1

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抄録

ヒマワリ (Helianthus annuus L.) の根, 茎, 葉及び花托のエタノール抽出物から Bligh-Dyer 法により脂溶性画分を得た. 得られた脂溶性画分の抗菌活性は Escherichia coli 及び Cladosporium herbarum を用いてペーパーディスク法により測定された. 花托の脂溶性画分に比較的強い抗菌活性が示された. 花托脂溶性画分の抗菌活性物質は, カラムクロマトグラフィー, 薄層クロマトグラフィー (TLC) 及び15%AgNO3-TLCにより4種類 (1, 2, 3, 4) に単離・精製された. これらの化合物を赤外吸光光度計, 高分解能質量分析計及びNMRを用いて構造解析を行った. その結果, 4種類の化合物とも分子量302, 分子式C20H30O2を示し, 一つ (1) は五環性ジテルペン酸である trachyloban-19-oic acid, もう一つ (2) は四環性ジテルペン酸である kaur-16-en-19-oic acid と同定した. 4は beyer-15-en-19-oic acid と推定した.

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