食品衛生学雑誌
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大腸菌の加圧耐性に及ぼす諸条件の影響
里見 正隆山口 敏季奥積 昌世藤井 建夫
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1995 年 36 巻 1 号 p. 29-34_1

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抄録
大腸菌の培養条件 (増殖段階, 培養温度, 培地) 及び加圧条件 (温度, pH, 浸透圧) の変化が加圧耐性に及ぼす影響について検討した. 大腸菌に対する圧力の効果は1,500atm 以上でみられ, 特に, 1,800から2,000atmの加圧で生残率が急激に減少した. 生育時の培地及び酸素の有無と耐圧性の間に相関はみられなかったが, 増殖段階が進むにつれ大きく耐圧性を獲得した. また, 44°培養で得られた菌体の耐圧性は低かった. 加圧時のpHは耐圧性に大きな影響を与えなかったが, 加圧時の温度は44°で生残率が減少した. また, 浸透圧が高いほど生残率が高く, 損傷及び細胞内物質の漏えいも少なかった.
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© 社団法人 日本食品衛生学会
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