1995 年 36 巻 6 号 p. 769-772_1
市販コチニール色素製剤の色価とカルミン酸含量を測定して, 市販製剤が定性分析用比較対照品に使用できるか否かを検討した. 色価は495nmの吸光度から, またカルミン酸含量はHPLCにより算出した. 粉末製剤の色価は液体製剤のそれと比較して数倍から十数倍高い値であった. 高速液体クロマトグラムパターンにより個々の色素製剤を比較したところ, マイナーピークに多少の差異が観察されたが, メインピークの保持時間はすべてカルミン酸のそれと一致した. 色素製剤中のカルミン酸含量は色価と同様な傾向を示し, 色価とカルミン酸含量の間には良好な相関が見られた. 以上の結果よりカルミン酸含量 (色価) の高い市販粉末製剤を比較対照品に用いることができると考えられる.