1997 年 38 巻 3 号 p. 155-160_1
クロロフィル色素製剤中の光過敏症原因物質であるフェオフォルバイドなどの分解物の測定を行った. 1988年及び1993年製造の市販製品中の既存フェオホルバイドの最高値は370mg%であった. 総フェオホルバイド量から既存フェオホルバイド量を差し引いてクロロフィラーゼ活性度を求あたところ, 1988年製造の製品は, ND~620mg%の範囲であり, 1993年製造の製品は検出限界以下であった. 製剤中に含有される溶剤の分解物生成に及ぼす影響を調べたところ, エタノールなどの溶媒も分解を促進させることが分かった. 市販製品中のフェオホルバイドa, a′, b, b′及びピロフェオホルバイドaの測定は確認法にフォトダイオードアレイ検出器を用いたHPLCで行った. フェオホルバイドa, a′, b, b′の総含有量はND~64mg%の範囲で, それぞれの最大値は41, 4.6, 8.3及び15mg%であった. また, ピロフェオホルバイドa含有量はND~51mgの範囲であった.