1998 年 39 巻 6 号 p. 350-356_1
市販の青かびチーズ, 白かびチーズなど, かび類をスターターとして熟成させたナチュラルチーズにおける菌類分布について検討した. 菌類の分離には dichloran rose bengal chloramphenicol agar を用いて, 試料1g当たりの検出菌量の計測を行った. 輸入及び国産の青かびチーズ21検体, 内部に青かびを使用し, 表面に白かびを着生させた混合型チーズ6検体, 輸入及び国産の白かびチーズ13検体の合計40検体の試料を対象に菌検索を行った. 培養の結果, スターターとしての Penicillium roqueforti, P. camemberti 以外に混入菌としての Geotrichum candidum や酵母が同時に検出されることが多かった. 分離した P. roqueforti 菌株を同定用基準培地に培養して比較したところ, 集落裏面の色調, 集落表面での菌核の形成の有無などから5型のタイプに区分することができた.