食品衛生学雑誌
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キノコ中のシアン含有量及び調理による消長
新藤 哲也牛山 博文観 公子安田 和男
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1999 年 40 巻 1 号 p. 29-35_1

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抄録

市販及び野生キノコ合計54種85検体のシアン含有量を調査した結果, 18種44検体からシアンが検出された. 市販キノコではニオウシメジが最も多く86~283μg/g (n=11) のシアンが検出された. 次いでマイタケで1.8~46μg/g (n=6) 及びシロアワビタケで1.1~26μg/g (n=7) と高い値であった. 採取した野生のキノコでは1.0μg/g以上のシアンを検出したものはみられなかった. また, キノコ中のシアンは遊離型で存在していると推察した. ニオウシメジを網焼きした場合, やや焼きすぎの6分間加熱でも加熱前の65%のシアンが残存した. また, 水煮した場合でも, キノコ中に27%が残存し, 煮汁に19%が溶出した.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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