食品衛生学雑誌
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麻痺性貝毒により毒化したウバガイの各部位における毒組成の差異
村上 りつ子山本 和則野口 玉雄
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1999 年 40 巻 1 号 p. 55-61_1

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抄録

麻痺性貝毒 (PSP) により毒化しだ茨城県産ウバガイ Pseudocardium sachalinensis の各部位につき, 毒組成をHPLCにより検討した. 各部位のPSP成分はすべてプロトゴニオトキシン (PX) 及びゴニオトキシン (GTX) 1~4からなっていた. その相対量は中腸腺や生殖腺などの内臓部と閉殻筋, 斧足などの筋肉部では大きく異なっていた. 特に, N1位にOH基をもつGTX (1, 4) の量は, 内臓部では筋肉部に比べ明らかに低い値を示した. GTX (2, 3) に対するGTX (1, 4) の量比が最も低い値を示した内臓部の抽出液に新たにGTX (1, 4) を添加したところ, 酵素反応によると思われるGTX (2, 3) への変換がみられた.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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