1999 年 40 巻 1 号 p. 90-97_1
牛乳の多環芳香族炭化水素 (polycyclic aromatic hydrocarbons: PAH) の分析方法の改良及び実態調査を行った. 著者らの従来からの一般食品中のPAHの分析方法による牛乳の分析では, 液々抽出の操作段階で分離が困難であった. しかし, ソックスレー抽出器の代わりに液体抽出器を用いることにより, 次の液々抽出操作が省略でき, 分析時間が24時間だったものが, 約16時間に短縮できた. 16種類のPAH添加回収実験の回収率は平均73~117%であった. 市販牛乳及び生牛乳45試料中のPAH検出量はND~10.75ppbであった.