食品衛生学雑誌
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次亜塩素酸ナトリウム処理キャベツから生成するクロロホルムの前駆物質に関する検討
日高 利夫桐ヶ谷 忠司河村 太郎河内 佐十
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1999 年 40 巻 2 号 p. 143-148_1

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抄録

次亜塩素酸ナトリウム (NaClO)処理によりクロロホルム (CHCl3) 生成能の高かったキャベツのゲルろ過画分をLC/MS及びHPLCで測定した. この結果, 8種類のアミノ酸が検出され, その量はL-グルタミンが48.3μg/mLの値を示したが, 他のアミノ酸は10μg/mL以下の値であった. 試料と同量に調製したアミノ酸標準溶液を24時間NaClO処理し, CHCl3量を測定した結果, その生成量は試料の82.0%の値を示した. 特にL-アラニンによるCHCl3の生成の寄与率が高かった. 以上のことから, L-アラニンがNaClO処理キャベツから生成するCHCl3の前駆物質の一つであることが明らかになった.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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