食品衛生学雑誌
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クン蒸剤「酸化エチレン」に関する研究 (第4報)
酸化エチレン-臭化メチル混合剤の殺菌・殺虫効果ならびに爆発限界について
鶴田 理太田 輝夫戸部 敬哉原田 豊秋
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1964 年 5 巻 2 号 p. 139-143

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抄録

1. 臭化メチルを添加した酸化エチレンの殺細菌効果は, 酸化エチレン単独と同等またはそれ以上であった. これらに比べ, 臭化メチル単独の場合はやや低下した. したがって, 臭化メチルの添加は酸化エチレンの爆発性を不活性化するのみならず, 酸化エチレンの細菌に対する致死量を減少させることができる. 一方, 糸状菌は, いずれの薬剤でも200g/1.5m3で完全に死滅しえた.
2. 酸化エチレンの殺虫速度は臭化メチルの添加によって著しく速くなる.
3. 臭化メチルは酸化エチレンより殺細菌力が劣るが被クン蒸物質内への浸透速度が高いことを認めた.
4. 酸化エチレン25%・臭化メチル75%の爆発限界は8~22%であり, これは440g~1.22kg/1.5m3に相当する. 一方, 細菌に対して有効な量は本爆発下限界値よりはるかに低いので, 実用に際しての爆発や火災の危険性はないものと考えられる.

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