小児耳鼻咽喉科
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原著
大阪市立総合医療センター小児耳鼻咽喉科の臨床統計
愛場 庸雅中野 友明古下 尚美比良野 彩子松下 直樹植村 剛
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2010 年 31 巻 1 号 p. 12-18

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抄録
  大阪市立総合医療センターは,総合病院の中に小児専門部門を持つ高次医療機関である。「小児耳鼻咽喉科」の専門的な役割を考える時に,本院の現状を把握する事は有用であると考え,患者数,検査件数,手術件数などの臨床統計の調査を行った。
  外来においては,難聴の精査目的の患者が 80%を占めていた。新生児聴覚スクリーニングの影響もあって,遊戯聴力検査,COR, ABR などの幼児聴力検査の件数は増加傾向にあり,聴覚補償における言語聴覚士の役割は重要になっている。
  小児の手術は,術前術後管理や麻酔の点から患者の専門病院への志向が強いため,入院患者数,手術件数とも増加している。術式では,アデノイド切除術,扁桃摘出術,鼓膜換気チューブ留置術が圧倒的に多いが,人工呼吸などを必要とする重篤な合併症を持つ患児の気道管理にかかわる機会が多いため,気管切開や喉頭気管分離手術の件数が増えてきつつある。
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© 2010 日本小児耳鼻咽喉科学会
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