小児耳鼻咽喉科
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原著
内視鏡付き小児用気管支鏡セットにて摘出した小児気管支異物の 2 症例
荒尾 嘉人小林 正佳北野 雅子坂井田 寛竹内 万彦
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2010 年 31 巻 3 号 p. 307-311

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抄録
  従来小児気管支異物の摘出では,術野を見ることができるのは術者に限られていた。今回,内視鏡付き小児用気管支鏡セットを使用して異物を画面に映し関係者で供覧し摘出した 2 症例を経験した。症例 1 は 1 歳 9 カ月男児でピーナッツ菓子誤嚥の 1 カ月半後に胸部 CT で左気管支異物が認められ,内視鏡付き小児用気管支鏡セットにてピーナッツ異物を摘出した。症例 2 は 2 歳 5 カ月男児で,屋内でピーナッツを食べながら走り回っていたところ,壁にぶつかり,その翌日より,咳と38℃台の発熱を認めた。3 日後の胸部 CT にて異物と無気肺を指摘され,当科入院当日に症例 1 と同様に異物を摘出した。この気管支鏡は先端に内視鏡が付いており,術者が大きな画面を見ながら操作できることから比較的簡単に異物を摘出でき,多人数で確認することにより異物の遺残を防げること,麻酔医も状況を把握でき,若い医師,学生への教育面などの利点があり,大変有用と考えられる。
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© 2010 日本小児耳鼻咽喉科学会
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