抄録
小児の睡眠時無呼吸症候群の主病因は扁桃肥大やアデノイド増殖である。扁桃摘出術やアデノイド切除術が治療の第一選択であり,治療効果は高い。しかしながらハイリスク患児の場合,手術適応に戸惑う場合がある。心,呼吸器系疾患,神経疾患などの合併症を有する症例や,2 歳以下の乳幼児症例などをハイリスク症例と考え,当院の手術適応について検討した。
ハイリスク症例を手術するにあたり,終夜ポリグラフの検査結果のみならず,全身状況を総合的に考慮する,保護者とインフォームド・コンセントを確実に行う,熟練した麻酔科医と小児科医との連携をとる,手術は可能な限り無血に行う,術後24時間は ICU にて経過観察をする,ということを適応条件としている。