小児耳鼻咽喉科
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シンポジウム II 小児耳鼻咽喉科疾患に対する手術療法の選択
小児耳鼻咽喉科疾患に対する手術治療—耳疾患—
三代 康雄
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2011 年 32 巻 3 号 p. 264-271

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抄録
  小児耳鼻咽喉科疾患の手術療法の選択として,耳疾患,特に 1)真珠腫,2)穿孔性中耳炎,3)滲出性中耳炎について適応や問題点を述べる。小児の中耳手術の問題点は,側頭骨や耳管機能が成長過程にあるということである。したがって手術治療後に滲出性中耳炎,急性中耳炎,鼓膜の陥凹・癒着などを来たすことが少なくない。小児真珠腫は先天性・後天性が混在すること,広範進展例が多く,再発も多いことなどが特徴であるが,診断は必ずしも容易ではない。また成人するまでの長期の経過観察が必要である。小児の穿孔性中耳炎は穿孔閉鎖率や聴力改善成功率では成人と差がないが,術後に滲出性中耳炎や鼓膜陥凹・癒着などを有意に起こしやすい。このことはインフォームドコンセントとして説明しておく必要がある。小児の滲出性中耳炎は保存治療が有効でなければ,鼓膜チューブ挿入が第一選択となるが,チューブ脱落後の滲出性中耳炎再発や鼓膜穿孔残存以外に鼓膜チューブの鼓室内脱落についてもインフォームドコンセントが望ましい。
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© 2011 日本小児耳鼻咽喉科学会
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