小児耳鼻咽喉科
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原著
当科における先天性小耳症例の検討
小笠原 徳子高野 賢一阿部 亜由美才川 悦子海崎 文関 伸彦吉野 真代今野 綾美山内 誠新谷 朋子四ツ柳 高敏氷見 徹夫
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2013 年 34 巻 3 号 p. 360-365

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抄録

  先天性小耳症は発生頻度の低い稀な先天奇形であるが,外表奇形として出生直後より認識され,聴力評価などで耳鼻咽喉科を初診することが多い。外表奇形に対する手術は本邦では形成外科で施行される。今回我々は当院形成外科にて耳介形成術を施行した患児73例に対して,外表奇形の分類,聴力評価,味覚障害の有無,顔面神経麻痺の評価,中耳・内耳奇形の有無について解析を行い,外表奇形とそれぞれの項目に関して比較検討をおこなった。さらに国内外における従来の報告と本解析に相違があるかを検討した。
  小耳症は,片側小耳症が90%をしめ,多くは外表奇形に対する治療が中心となる。しかしながら,聴力の継続的評価や真珠腫性中耳炎の早期発見,外耳道形成術,伝音再建の適応など耳鼻咽喉科医が把握,対応する事項の重要性が再認識された。

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© 2013 日本小児耳鼻咽喉科学会
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