小児耳鼻咽喉科
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シンポジウム 2—小児アレルギー性疾患の up-to-date
小児気管支喘息
足立 雄一
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キーワード: 喘息, 鼻炎, one airway one disease
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2014 年 35 巻 3 号 p. 222-225

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抄録

  鼻炎と喘息の病態には共通する部分が多く,両者の間に密接な関係があることが知られている。我が国の小児を対象とした全国調査で,鼻炎を有していると鼻炎の無い児に比して約 3 倍の確率で喘息を合併し,鼻炎を合併する喘息児では鼻炎が重症であるほど喘息が重症である比率が高かった。鼻炎を合併する喘息では,ロイコトリエン受容体拮抗薬や点鼻ステロイド薬が鼻炎の症状ばかりでなく,喘息のコントロール状態の改善にもつながることが知られている。その際,小児においては吸入と点鼻のステロイド薬の併用による副作用が懸念されるが,最近の点鼻ステロイド薬の bioavailability は低い。さらに,鼻炎単独例に対する免疫療法による喘息発症予防効果も示されている。小児の喘息診療において,合併する鼻炎を考慮した対応が必要である。

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© 2014 日本小児耳鼻咽喉科学会
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