小児耳鼻咽喉科
Online ISSN : 2186-5957
Print ISSN : 0919-5858
原著
内視鏡補助下甲状腺切除術(VANS 法)が行われた小児症例の検討
野村 研一郎片山 昭公高原 幹長門 利純岸部 幹片田 彰博林 達哉原渕 保明
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2016 年 37 巻 1 号 p. 58-63

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抄録

 Video-Assisted Neck Surgery(以下 VANS 法)は,前胸部外側に作成した皮膚切開部から皮弁を吊り上げることでワーキングスペースを作成し,内視鏡補助下で甲状腺切除を行う術式である。創部が衣服で隠れるため,若年女性にとって有益な術式であるが,特殊な手術器具を要するため,小児での報告は少ない。当科で2009年から VANS 法で手術を行った210例のうち15歳以下の小児 3 例を認めた。よって,これらの症例の治療経過と小児甲状腺結節に対する手術適応についての検討を行った。全例甲状腺に約 3 cm 大の充実性の結節性病変を認めており,全例合併症なく成人と同様に手術を行うことが可能であった。3 例とも摘出病理は良性の結果であったが,濾胞腺腫と思われた一例で,実際は濾胞癌であり,術後半年後にリンパ節転移を認めたため,手術を含めた追加治療が行われた。成人同様,3 cm を超えるような甲状腺結節の際には手術治療を念頭におく必要があると考えられ,VANS 法は小児にも適応可能であった。

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© 2016 日本小児耳鼻咽喉科学会
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