披裂部型喉頭軟弱症の手術方法はレーザーを用いた余剰粘膜切除の有効性が報告されているが,術後合併症として両側披裂部の癒着による声門上狭窄,肉芽形成などが報告されている。今回我々は後天性披裂部型喉頭軟弱症の2症例に対して,両側披裂部の粘膜を縫縮し,術後合併症を認めず良好な経過を得たので報告する。
症例1はけいれん重積による脳症をきたし経鼻胃管栄養管理となっていた2歳女児で,SpO2の低下は認めなかったが努力性呼吸が著明のため手術加療の方針となった。症例2は後にJoubert症候群と診断された1歳男児で,酸素投与が必要な状態であったため手術加療の方針となった。両者ともに術後に呼吸状態の改善を認め再発も認めていない。本術式は喉頭に対して低侵襲であり,経鼻胃管の継続留置など,慢性的な刺激が披裂部に加わることが予想される症例に対しては肉芽形成等による声門上狭窄を防ぐ目的としても有効と考える。