2023 年 4 巻 2 号 p. 67-72
近年,IoT,ICT 技術の発展にともない,施工に関わるデジタルデータが容易に取得できる環境が整備されてきている.本稿では,このようなデジタルデータと数値シミュレーション技術を融合させ,デジタル ツインの概念を基本とし,山岳トンネル掘削時に取得される「切羽湧水量」および「施工時地山調査結果」を仮想空間に再現し,これらの情報を更新し,近い未来に生じる湧水量を数値シミュレーションする基本システムを構築した.本システムで予測した情報は,オンタイムに誰もが理解しやすい形で情報発信できるため,リスク回避しながら安全安心の施工に寄与できると考える.