小児耳鼻咽喉科
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シンポジウム3―先天性サイトメガロウイルス感染症
先天性サイトメガロウイルス感染症による重症心身障害者の経過,合併症とその対応
髙橋 長久
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2020 年 41 巻 1 号 p. 16-21

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抄録

先天性サイトメガロウイルス(CMV)感染症は胎児が感染することで発症し,出生時から何らかの異常を認める場合と無症状の場合があるとされている。新生児期の症状として小頭症,水頭症,脳室拡大,肝機能障害,網膜脈絡膜炎などがあり,後遺症として脳性麻痺の状態を呈する。一方で新生児期には無症状で聴力障害が主症状で診断される例や,発達障害の症状を呈するものも存在する。今回心身障害児総合医療療育センターでフォローしている先天性CMVの症例を後方視的に調査し,現状を報告した。運動障害がメインにフォローされている群と,行動上の問題がありフォローされている群に分かれた。重症心身障害者の症例の経過を報告するとともに,重症心身障害児者の合併症,特に呼吸障害及び誤嚥に関する対応方法などの概説を行った。重症児を育てることは喪失の連続であるが,重症心身障害児者の医療は本人のみならず家族を支える医療の側面を持つ。

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© 2020 日本小児耳鼻咽喉科学会
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