小児耳鼻咽喉科
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シンポジウム5―気道異物―その時どう対応するか?―
小児の気道異物の取り扱い:耳鼻咽喉科の立場から
鈴木 幹男
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2020 年 41 巻 1 号 p. 22-26

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抄録

小児の気道異物は呼吸状態が急変することがある。搬送中に死亡する例もあり速やかな対応が必要である。小児の気道異物は0歳から3歳までに多く,ピーナッツなどの豆類が主である。誤嚥のエピソードがはっきりしておれば精査できるが咳嗽のみの症状で発見までに時間を要することがある。さらに食物異物では放射線透過性のことが多いため,原因不明の慢性咳嗽と扱われることもある。診断では,エピソードから異物を疑い,聴診や画像検査を行う。異物摘出では軟性ファイバースコープを用いて気管・気管支内の異物の位置,状態を確認してから硬性気管支鏡を挿入して摘出を行う。摘出終了後,再度軟性ファイバースコープを用いて気道内を観察し,異物断片の残存を確認する。術前の状態,術中の状況により気管切開,体外循環を用いた呼吸管理が必要な時もあるが,できるだけ低侵襲な手術操作を行うことが重要である。

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© 2020 日本小児耳鼻咽喉科学会
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