小児耳鼻咽喉科
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歯科における小児の摂食嚥下障害への対応
綾野 理加
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2020 年 41 巻 3 号 p. 264-267

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抄録

歯科における小児の摂食嚥下障害への対応は,バンゲード法が本邦で紹介されたことに始まり,定型発達児の摂食機能の発達過程の解明が障害児の摂食嚥下障害の評価へとつながっていった。

小児の摂食嚥下障害の原因疾患には未熟性,解剖的異常,中枢神経系の異常,全身状態によるもの,など多岐にわたる。疾患特有の摂食嚥下障害の症状はあるが,まず対象児の摂食機能が摂食機能の獲得段階のどこにあるかを評価することが重要である。そこから必要な食環境指導,食内容指導,機能訓練といった治療計画を立て摂食機能療法を実施する。

成人と異なり臨床家の指示に従うことが困難な児が多いため,いわゆる訓練は受動的なものが多いが,児や保護者への負担にならずに日々継続しやすい内容をスモールステップごとに定め,再評価をし継続していく。機能を失った成人高齢者とは異なり機能を獲得するという考え方が基となるものが小児の摂食機能療法の特色であると考える。

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© 2020 日本小児耳鼻咽喉科学会
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