小児耳鼻咽喉科
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シンポジウム2―薬剤耐性(AMR)対策を考慮した小児耳鼻咽喉科感染症への対応:理論と応用
小児科実臨床における実践
石和田 稔彦
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キーワード: 抗菌薬適正使用, 教育, 小児
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2021 年 42 巻 1 号 p. 37-42

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抄録

小児呼吸器感染症に対する抗菌薬投与のタイミングは,感染のフェーズから考えることが重要であり,ウイルス感染に続発する細菌感染合併時ということになる。症状や臨床経過,微生物検査,血液検査等から,抗菌薬投与の要否と使用薬剤の選択を行う。抗菌薬投与の必要性は,年齢によっても異なる。同じ呼吸器感染症であっても,2歳以下の乳幼児は,細菌感染の合併で哺乳力低下や水分摂取の低下を来たしやすく,肺炎に進展しやすく,また中耳炎も合併しやすいため,全身状態,胸部所見,鼓膜所見を注意深く観察し,抗菌薬投与のタイミングを逃さないよう留意する。一方,抗菌薬適正使用のためには,患者教育や医療者自身の教育も重要であり,小児科・耳鼻咽喉科医師,薬剤師,患者家族を含めた地域での連携した対応が求められる。

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© 2021 日本小児耳鼻咽喉科学会
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