2021 年 42 巻 1 号 p. 92-95
小児の進行性呼吸困難では診断だけでなく気道管理が重要である。声門下嚢胞による呼吸困難に対し,緊急気管切開術による気道確保を行った症例を報告する。1歳3か月女児。喘鳴を伴う呼吸困難を主訴に当院入院となった。喉頭内視鏡検査では声門下狭窄は指摘できず,頸胸部CTにて声門下に腫瘤性病変が指摘された。呼吸状態悪化が持続したため,耳鼻咽喉科,麻酔科,小児科連携のもと,気管切開術および喉頭直達鏡検査を行い,声門下嚢胞と診断した。後日,全身麻酔下嚢胞開窓術を行い,術後9か月の時点で再発なく経過観察中である。