抄録
この研究では、幼小連携に関してどのような方針で子どもたちへの指導を行うべきか、現場における行動
の指針を得ることを目的に、小学校学習指導要領、保育所保育指針、幼稚園教育要領、こども園教育・保
育要領の4法令がどのような意図を持って記述されているか、言語的つながりに着目した。4法令をそれぞ
れ一つの文献とみなし、計量テキスト分析を行って、出現語の傾向を分析した。その結果、小学校学習指
導要領では、教師が児童へ主体的な行動を促す事(指導)に力点が置かれ、園児が自然に感じた思いや行動
を味わい、それを伝えることに注力している保育所保育指針や幼稚園教育要領(3法令)とは、位置づけが
異なっていることが計量的に確認された。また、文章中には接続や発達段階を考慮する等との記載はある
ものの、それぞれの法令が、学習や保育等それぞれの機関・施設内で優先されるべき事項の記述に割かれ、
進級への課題には直接的に触れられているとは言えないことが判明した。それらのことから保育所等におい
ては主体性や指導に関する事項を充実させ、小学校においては感情の表出や他者を含めた環境とのかかわ
りに関する事項をさらに充実させることが、進級後の円滑な指導へ移行を可能にすると言えるだろう。