抄録
造形活動の中で、設定されたねらい、準備された素材・環境の中で子どもたちがどのような部分に着
眼するかを観察した。活動では多種多様な素材や道具を用い五感による体験を心がけ、気付き・発見・理解の様子が見られる、想定を超える、または予測に反するといった反応が見られたケースなどについて事例を挙げた。また、子どものイメージの構築過程や選択の根拠を観察するためワークショップを企画した。活動事例とワークショップの結果から、子どもの主体性の自認に繋がるような、内発的な創造性の醸成に作用する要素への考察を行った。色、形、質感、量といった物質の持つ情報へ向けられた興味とそれに応じた行動は年齢により様々であった。また、事象に対する気づきや感動など情動の変化への振り返りから、自発的な行動への糸口となる要素や発達に応じた発見・実感へのプロセスの組み立て方など、今後の活動における題材・環境の設定・配慮への展望が得られた。また、複数の事例で子どもたちからゲームや映像メディアの影響と思われる発言が出たことから、子どもたちを取り巻く昨今のデジタル環境と五感による体験について所感を述べた。