抄録
室内湿度変動抑制効果を持つ調湿建材を内装に使用した場合の室内環境及び人体への影響を検討した。実験は岐阜大学病院の個室で行い,被験者は内装を調湿建材で改修した部屋と既存の石膏ボードの部屋の両方に24時間滞在し,滞在中は室内環境,アンケート調査(状態・特性不安検査(STAI))による心理的な測定や体温,心拍数等の生理的な測定を実施した。内装に調湿建材を使用すると,調湿作用によって室内の湿度変動幅が小さくなることが確認された。また,時間帯によっては体温,心拍数が低くなる傾向が見られた。調湿建材の直接的な物理的影響とは断定出来ないが,何らかの影響を与えている可能性はあると考えられた。