室内環境
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原著論文
海洋性発光バクテリアの生物発光阻害を利用した室内微粒子汚染のバイオモニタリング
池田 四郎及川 雅史関根 嘉香
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2009 年 12 巻 2 号 p. 133-141

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抄録
バイオアッセイは生物応答を利用した有害性評価法であるが,室内環境汚染物質の一般毒性に着目した適用例は少ない。そこで,海洋性バクテリアVibrio fischeriV. fischeri)の生物発光性を利用した室内環境の簡易毒性評価法の開発を目的に,V. fischeriの生物発光量に及ぼす浮遊粒子状物質およびハウスダストの影響を検討した。神奈川県内の一般住宅においてローボリュームエアサンプラーを用い,7日間連続で室内外の総浮遊粒子状物質を石英繊維製フィルター上に捕集した。また,首都圏の4軒の家庭から掃除機ごみを提供してもらいハウスダストを収集し,ふるいを用いて粒径分画した。試料を滅菌蒸留水で振とう抽出し,抽出液を孔径0.45μmのフィルターでろ過し,ろ液をV. fischeriに作用させ,ルミノメーターで生物発光強度を測定した。その結果,V. fischeriの生物発光は室内および室外の浮遊粒子状物質の水抽出物に阻害され,発光阻害度はTSP(Total Suspended Particles)濃度の増加に伴い増加した。また,室内では換気回数が多くなるほど単位質量あたりの発光阻害度が増大し,エアロゾル中の毒性成分の割合が高くなる現象が認められた。一方,ハウスダストの水抽出物も生物発光量を減少させ,微小な粒子ほど高い毒性をもつことがわかった。またハウスダストの発光阻害度は,抽出液中の硝酸イオンおよび硫酸イオンの濃度と相関が認められた。
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© 2009 一般社団法人 室内環境学会
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