抄録
環境意識の向上・啓発において,環境教育は重要な役割を果たす。しかし室内環境教育に関する実践事例はほとんどない。そこで,文部科学省サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト(SPP)の一環として,東海大学理学部化学科および東海大学付属望洋高校の教員が連携し,高校生に対する室内環境をテーマにした特別理科講座を開講した。この講座はシックハウスの予防や改善に関する知識の習得を目的とし,大学で研究開発を行っているホルムアルデヒド検知材料および分解除去材について基礎的な実験授業を行った。講座終了時には参加生徒に対して授業アンケートを実施し,理解度や満足度などを調査した。その結果,今回の講座は面白かったかという問いに対し,「面白かった・どちらかといえば面白かった」と答えた生徒の割合がいずれの実験においても90%以上であった。また,講座を自分なりに理解できたかという問いに対し90%以上の生徒が,「理解できた・どちらかといえば理解できた」と回答した。これらの結果より講座の内容や難易度が参加者に適したものであったと思われる。今後も室内環境をテーマにした科学講座を開発していきたい。