室内環境
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原著論文
実建物における室内化学物質モニタリングシステムの検証
山口 一冨岡 一之大塚 俊裕中山 正樹真継 常義竹林 芳久
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2010 年 13 巻 2 号 p. 119-129

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抄録
ホルムアルデヒドやVOC等の室内化学物質によるシックハウス症候群や化学物質過敏症が問題となっている。さらに,最近では省エネルギー対策のため,室内CO2濃度や在室人数によって外気導入量を制御する手法が注目されている。しかし,外気導入量の減少によって,室内化学物質が増加することを留意する場合は少ない。現在,これらの室内化学物質を測定するには,ガスクロマトグラフや高速液体クロマトグラフ等を用いる必要があり,短時間で簡便に測定結果を得ることは出来ない。また,精度よく室内の化学物質濃度をモニタリングできるシステムも存在しない。我々は,これらの問題点を解消するために,半導体センサを用いた簡易のTVOC測定法を開発し,その成果を既報1-4)で発表してきた。本報では,2つの実建物に3種類の半導体センサを設置し,各々のセンサの特性を評価し,建物内の化学物質濃度のモニタリングに半導体センサが応用できることを確認し,今後の課題について報告する。
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© 2010 一般社団法人 室内環境学会
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