抄録
PM2.5の個人曝露濃度や室内濃度の測定には,小型のインパクターをミニポンプに接続して,1.5 L•min-1程度の流量で捕集するシステムが優れている。しかし,市販のフィルターをそのまま使用すると,粒子重量を正確に測定できないことが判った。本研究では,フィルターの恒湿化方法や前処理方法を工夫することによって,±2μgで正確に重量が測定可能である方法を見い出した。具体的には,テフロンコーティングフィルターを窒素気流中300℃で6時間加熱処理を行い,恒湿化後測定することにより,粒子重量を精度良く正確に測定しうることを認めた。本研究で開発した手法は,PM2.5個人曝露測定や室内濃度の測定に適用できるばかりでなく,アジアにおけるPM2.5大気環境中濃度の測定などに応用可能であると考えられた。