抄録
一般住宅における室内浮遊真菌の日内変動を調べることを目的として,東京都小平市と埼玉県上尾市所在の2軒の一戸建て住宅を対象として調査を実施した。調査は2012年7月に,2日間に渡る調査を2回ずつ行った。室内浮遊真菌のサンプリングは,エアーサンプラー(DG-18培地使用)を用いて2時間ごとに計13回行い,時間ごとに採取された真菌を培養した。発育した真菌の集落数から浮遊真菌濃度(cfu/m3)を算出し,集落から分離した真菌種の同定を行った。
この結果,いずれの住宅でも午前4時~8時の朝方に浮遊真菌濃度が高まる傾向が見られた。この傾向は,アレルゲンとして問題視されているアスペルギルス属菌で顕著であった。分離されたアスペルギルス属菌では,アスペルギルス・レストリクティ節に属す種が多かった。この調査結果から,就寝時にアレルゲンとなるカビを吸引することが,深夜から早朝にかけて起こる喘息の一因となる可能性が示唆された。